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三流IT技術者の日常

Aruba IAP-305の設定と動作に迫る (3)

これまでの記事でソフトウェアバージョンを記載し忘れていました。

ソフトウェアバージョン : 6.5.1.0-4.3.1.2_58595

色々な製品の動作を書いてくれている記事はインターネット上に多々ありますが、ソフトウェアバージョンに記載がないことが多く、閲覧者の環境とバージョンのアンマッチが発生して無駄な時間を取らせてしまうことがあります。そのため、各記事には使用したソフトウェアバージョンを書いておこうと思う次第です。

 

今回はIAPの電波設定について記載しようと思います。設定項目やマニュアルを見ると、用途がかなり限定されるような機能も多かったので、適当に抜粋して動作確認できたものを取り上げようと思います。WebUIの上部の「RF」から各設定が可能です。

バンドステアリング

ある程度理想的な環境であれば2.4GHzより5GHzの方が速度が出ます。802.11acは5GHzのみですし。バンドステアリング機能を使用することで、両方の周波数帯に対応しており、いくつかの規格を満たす無線LAN端末を優先的に5GHzに接続するように促す機能です。パラメータの意味は見れば分かると思います。

ついでに、前の記事と同様にChromecastを2.4GHzに接続させた後、バンドステアリングの値を「5GHzを強制」としてみましたが自動的に5GHzに遷移することはありませんでした。

とりあえずデフォルト値である「5GHzを優先」で良いように思われます。ちなみに「5GHzを強制」としたからといって2.4GHzにしか接続できない端末が接続解除されることはないようです。

 

有効なチャネルのカスタマイズ

IAPではデフォルトではARMというチャネル、電波出力強度の自動調整を行う機能が有効になっています。これはIAPが周辺の電波状況を監視して、適切と判断されるものを自動的に使用する機能です。この機能で選択されるチャネルをこの設定で限定します。

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ここでは5GHzで選択されるチャネルを36Eのみに限定しています。実質的に36Eのみ選択される状況です。ただし、ARMで選択可能なチャネルが1個であることと、ARMを無効化させチャネルを固定化させることはIAPの動作としては異なると思われるので注意が必要そうです。

なお、出力範囲もこの画面から設定できますが、とりあえず最大送信出力は最大にしておけば良いと思います。ただし、何を設定しても21dbmにしかならないようです。電波法的にはもっと強力な出力が可能になっていますが、country-codeをJP3としているせいなのか、製品仕様なのか分かりませんがこれ以上の出力はできないようです。

ちなみに、5GHzについては21dbmの出力状態で下図のような有効範囲でした。

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Test PCの位置で、タイムアウト4000msの設定のPingが2割程度応答なしでした。この状態だと静的なWebサイトは閲覧に少しストレスがありで、Youtubeでの動作再生は、再生できなくもないという程度でした。結構強力に電波出力しますね。

話はそれますが、先程言及したIAPに固定的に電波設定を行う場合、やや分かりにくいですが、アクセスポイントのリストから「編集」をクリックします。

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「ラジオ」タブにて、「管理者が割り当て」を選ぶとARMではなく固定的な設定が可能です。

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「モード」はアクセス以外は通信ではなく調査を行うためのモードになります。これらの設定を変更する場合、IAPの再起動が必要になります。

 

クライアント認識

Client Awarenessとか呼ばれている機能です。CLIマニュアルだとclient awareになっていますが・・。この機能を有効にすると無線LAN端末が通信中の場合ARMによるチャネル変更が行われなくなります。基本的に有効で良いと思いますが、通信の多い環境だとARMによるチャネル変更が行われにくくなる可能性がありそうです。

スキャニング

CLIマニュアルだとscanningです。有効にすると無線APが動作しているチャネル以外のチャネルについてもスキャンを行い周囲の電波状況をモニタリングします。デフォルトが無効になっていることを考えると、無効にした方が安定動作する可能性があります。でも私は有効にしています。

40Mhzチャネル

40MHzチャネルボンディングを有効化します。

80MHzサポート

表現がブレブレですが、80MHzチャネルボンディングを有効化します。尚、802.11acを使用するためには、「ラジオタブ」の「ベリーハイスループット」を有効化する必要があります。

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80MHzを有効化した場合でも40MHzチャネルボンディング接続や20MHzでの接続は可能な状態です。

自宅環境ではローミングとかは全く考慮していないので、そのあたりのパラメータには言及していません。